Panasonic LEICA DG SUMMILUX 9mm / F1.7 ASPH.
ライカの厳しい光学基準をクリアし「SUMMILUX(ズミルックス)」の称号にふさわしい優れた光学性能と描写性を持った超広角18mm(※フルサイズ換算)が誕生しました。20mm以下の超広角レンズは一見使いこなしが難しそうですが、実際に使ってみるとダイナミックな表現力で自分の感性をダイレクトに写し出す撮影が楽しめます。フルサイズに負けない表現性に富んだ超広角の醍醐味を味わってみました。

フルサイズ換算で超広角18mm広々とした画角はダイナミックな遠近感が得られ臨場感あふれる描写が楽しめます。目には見えずとも感じ取る感じる空間の広がりまで写し出せるのが超広角レンズの魅力でもあります。
絞り値:f13
露出時間:1/500秒
ISO:200
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:標準プログラム

手のひらで包み込めるほど小さなサイズ感のSUMMILUX9mmとコンデジ並みのコンパクトなボディサイズのLumix G100の組み合わせは軽快そのもの、コンデジ並のサイズ感が実に快適です。写したいと感じたら、さっとカバンから取り出して、すっとシャッターが押せる。俊敏に満ちたフットワークで超広角レンズの世界を気軽に楽しめるのは、快適そのものです。
絞り値:f10
露出時間:1/500秒
ISO:200
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:標準プログラム

巨大な水門の一部を仰ぐようにして背景の空が広がるような構図を狙ってみました。メリハリのついたコントラストとシャープな描写で水門の無機質なコンクリートの表情、鈍く光る階段の手すりの質感が肉眼で見る以上に印象的に写し出されています。景の空と水門のコントラストの対比が印象的で優れた描写力が伝わってきます。
空をバックにした水門の撮影をしながら、PLフィルターを持ってくればよかった、とちょっぴり後悔しました。このレンズは超広角レンズながら前面にフィルターを装着することが可能です。PL(偏光)フィルターやクロスフィルターなどアート性が高まるフィルターを装着すれば、超広角の豊かな表現力に深みが増します。PLを使用していれば空の色とコントラストが深まり、この水門の写真も劇的な雰囲気に変わったに違いありません。フィルター系は55mm、各種フィルターが手に入りやすい大きさなのも助かります。
絞り値:f16
露出時間:1/500秒
ISO:200
露出補正:-1ステップ
露出モード:標準プログラム

目の前に広がる空間は、目に映るというより脳が感じ取るもので、空間認識能力というそうです。超広角レンズで写した画にはその感覚的な空間までがはっきり感じられます。
羽休めする鳩を手前に入れながら、後方の川と水門に囲まれた空間を映るように意識して構図を決め撮影してみました。穏やかに流れる時間まで写し出されたかのようなゆったりした雰囲気が写真から感じます。目に写らぬ雰囲気を感じ“撮れる”のが超広角レンズのカタログ数値では表現できない性能であり、魅力のひとつなのかもしれません。
絞り値:f11
露出時間:1/500秒
ISO:200
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:標準プログラム

絞り値:f4.5
露出時間:1/400秒
ISO:200
露出補正:-1ステップ
露出モード:標準プログラム

フルサイズ換算18mmというとスナップ撮影レンズとして使いにくいのでは、と思っていましたが、意外にもハマると面白い絵がたくさん撮れることに気づきました。広い空間を捉える画角の中にワンポイント核となる被写体が入るだけで、画面がぐっと引き締まります。
絞り値:f8
露出時間:1/500秒
ISO:200
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:標準プログラム

日向と日陰の対比に心惹かれて撮ったカット。アングルを変えるだけで撮影シーンから様々な表情や面白さを引き出せるので、超広角レンズは持っていて絶対の損しない1本です。
絞り値:f14
露出時間:1/500秒
ISO:200
露出補正:-2ステップ
露出モード:絞り優先

絞り値:f13
露出時間:1/400秒
ISO:250
露出補正:-1ステップ
露出モード:絞り優先

普段何気なく歩く道や街中から自分が気に入ったオブジェやデザインの建造物を見つけて感じるままに切り抜いて写真に収めることが筆者は好きなのですが、超広角レンズを持って歩くと、切り抜くものさしが長く広がって引き出しが増えるように思えます。
絞り値:f5.6
露出時間:1/500秒
ISO:100
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:標準プログラム

絞り値:f2
露出時間:1/4000秒
ISO:100
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:絞り優先

絞り値:f2.5
露出時間:1/200秒
ISO:100
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:標準プログラム

最短撮影距離は0.095m、被写体に寄ってクローズアップしつつ大きくボケた背景をも写し出すことができるし、超広角の大きなパースを生かして近接した被写体をデフォルメして写すのも面白いです。真っ直ぐ生え伸びている竹に近接して、根元は太く先端は針のように細くデフォルメさせてみました。ちょっとした遊び心を呼び起こしてくれそうな強烈なパースを楽しんでみました。
絞り値:f10
露出時間:1/400秒
ISO:2000
露出補正:-1.7ステップ
露出モード:絞り優先

雨滴をまとった草花は清らかで瑞々しい雰囲気をまとい、見ているだけで清々しい気持ちになります。近接性能を頼って花に接近すると葉の上にたまっている雨滴がレンズに当たりましたが、防塵・防滴仕様なので気にすることなく撮影に専念できます。
絞り値:f4
露出時間:1/500秒
ISO:200
露出補正:-1.3ステップ
露出モード:絞り優先

ベンチの下にポツンとおかれたブタの蚊取り線香入れ。来園者の少ない平日午後の静けさが写真から伝わってきます。マイクロフーサーズのフォーマットと超広角レンズの組み合わせはフルサイズに比べて雰囲気を捉える描写力がやや弱いのではないか、と思っていましたが、撮影を続けるうちに表現力の豊かさは遜色ないと感じました。それよりもむしろ構えず気楽に撮影できるメリットが大きいのではないでしょうか。
超広角だからといって気難しく構えて数枚撮るよりも、リズムよくパチパチとシャッター回数を多くしたほうが記憶に残る素敵なシーンをカメラに収める確率も大きくなります。防塵・防滴仕様で天候も気にせず、前面にフィルターを装着できる拡張性に富んだ非常にコンパクトにまとった超広角レンズ、フォトウォークでの新たなシャッターチャンスが広がることでしょう。
絞り値:f1.7
露出時間:1/1000秒
ISO:200
露出補正:-1.3ステップ
露出モード:絞り優先