Nikon Z fc f/2.8 Special Edition
ニコン銀塩カメラ「FM2」にインスパイアされたデザインで「撮る」と「持つ」楽しみにこだわった初心者にも使いやすいと評判のミラーレスカメラ「Nikon Z fc」。
今回は「Nikon Z fc」にキットになっているレンズ「NIKKOR Z 28mm f/2.8 (Special Edition)」をつけて撮影をしてきました 。

筆者は懐かしさを感じますが、若いユーザーにとってもノスタルジック溢れる雰囲気に個性を感じて魅了されるのではないでしょうか。
この組み合わせで、まずは鎌倉にむかってみました。※スマホで撮影

本体重量は約445g、キットの28mmを装着しても665g。かなり軽く感じるのですが、ボディ前面にはマグネシウム合金も一部使用されていて質感もあり、安っぽさは感じません。なにより軽くてコンパクトなので女性の手にもいい感じで収まるサイズ感です。

APS-Cセンサーのカメラに28mmを装着するとフルサイズ換算で42mmになります。最近スナップ撮影用に40mmが増えてきていますが、標準レンズよりちょっぴり広く、35mmより気持ち大きめの画角は日常のシーンを切り取るのに絶妙なバランスがある画角だといえます。クラシカルなカメラとレンズを携帯したお散歩のお供にぴったりハマるに違いありません。

やっぱり、カッコいい! 撮影だけでなく、持つこと自体が楽しくなるカメラです。 ※スマホでの撮影。

雰囲気を損なうことなく被写体を素直に写し出す発色はニコンの良いところ、Z fcもしっかり引き継いでいます。

NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)はお値打ち価格なのですが、“Zレンズに外れなし”と称されるとおり、描写力はワンランク上のレンズと遜色ありません。ノスタルジックにあふれた外観が所有欲も満たしてくれる、コスパに優れたお買い得なレンズです。

ストラップはロゴの入ったスペシャル仕様が付属されています。※スマホで撮影

ハイライトが飛ばないよう露出補正する際も、上面左にあるクラシカルな露出補正ダイヤルをくるっと回すだけ、体感的な補正ができます。機械を操作しているレトロ感が撮影時の気持ちをグッと上げてくれます。

開放のF2.8での画質は若干ハローがかかった甘い描写になるときがあります。現代のレンズは絞り開放からきりっとしたシャープネスを追い求められていますが、開放でやや甘い描写をうまく生かせば味わいのある写真を撮ることができます。趣味性の強いカメラだからこそ、このレンズ特性を生かした作品作りも楽しくなることでしょう。


カメラ:
Nikon Z fc


開放ではやや甘い描写ですが、少し絞るとグンとシャープネスが高まり、キリっと引き締まった画になります。被写体に寄って絞りを使い分けするのもまた面白いのではないでしょうか。

Zシリーズでは初めてのバリアングルモニターが採用されました。背面液晶モニターに写る画像はコントラストがあり明るい日中でも像がはっきり見えます。撮影時のアングルを変えて構図に変化を付けることも容易に行えるので、撮影に幅が出るのも魅力ですね。

頭上の被写体を見上げるように撮影するときもバリアングルモニターは便利です。不自然な形でファインダーを覗いてカメラを構える負担が大きく減らせるので、構図や露出を決めることに専念できます。
カメラ:
Nikon Z fc
絞り値:f2.8
露出時間:1/1250秒
ISO:200
露出補正:±0ステップ
露出モード:絞り優先

Z fcに28mmを装着したフルサイズ換算42mmの画角は自分の視点で被写体を切り取るのにとても適しているので、クラシカルでスタイリッシュなカメラとレトロな雰囲気をまとったこのレンズ1本だけをもって街を切り取って歩くだけでも楽しいことに違いありません。

ボディ内手振れ補正は内蔵されていませんが、壁や手すりなどカメラの支えになる場所さえあればスローシャッター撮影は十分楽しめます。カメラを固定してもバリアングルモニターを使えば、自由に構図を決められます。

ISO感度2000程度は粒状も目立たず常用感度として問題なく使用できます。遊園地やテーマパークの夜景もF2.8の明るさがあれば十分ではないでしょうか。