ダイソン特価

カメラ・レンズの選び方や
カメラライフを楽しくする情報発信サイト

Bicphotostyle

FUJIFILM X-Pro3 第2弾

光学式と電子式を自由に切り替えられる「アドバンスト・ハイブリッドビューファインダー」を搭載した「X-Pro3」。OVF(光学式)では、被写体をありのままに捉えることができ、EVF(電子式)では、露出などの撮影条件を確認しながら撮影することができます。「ファインダーを覗いて撮る」という撮影スタイルを追求した「X-Pro3」のレビュー第2弾です。

富士フイルム_XPro3_オールド・タウン・セントラル
香港島の北西部に位置する中環(セントラル)から上環(ションワン)にかけて「オールド・タウン・セントラル」と呼ばれるエリアがあります。香港で最も古い歴史を持ち、最近では流行の発信地ともなっている場所です。ストリートアートや歴史的建造物をリノベーションした施設「大館(タイクン)」、美術館などがあり、お洒落なレストランやバーも集まっています。
このフォトジェニックな場所をX-Pro3を持って散策しました。今回もフィルムシュミレーション「クラシックネガ」を使いました。兎にも角にも香港の街にぴったり合うのです。
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF35mm f1.4 R
絞り値:f/5
露出時間:1/900秒
ISO:640
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:標準プログラム



富士フイルム_XPro3_旅行客と地元住民
香港島の中でもクールな飲食店やショップが集中するスポットなので旅行者の姿を多く見かけますが、すぐ近くには地元住民が暮らすマンションも林立しているので、旅行客と地元住民が混在する地区です。ストリートショットに特化したX-Pro3の実力を発揮する場所といってもよいでしょう。
今回、香港の撮影で「クラシックネガ」を選択したのは、歴史を重ねてきた建物や道具が溢れる街の魅力を撮影するにあたって最適な色調と感じたからです。
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF35mm f1.4 R
絞り値:f/3.2
露出時間:1/340秒
ISO:640
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:標準プログラム



富士フイルム_XPro3_急勾配の坂道
地元住民、観光客、ビジネスマンが急勾配の坂道で交差する場面をOVF(光学式ファインダー)でショットしました。街から感じる雰囲気を写し取るようにシャッターを押すストリートフォトには、目で見たものを感じたまま切り取る感覚を味わえるOVFを使うことで、撮影に軽快なテンポが生まれると実感しました。
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF35mm f1.4 R
絞り値:f/3.6
露出時間:1/450秒
ISO:640
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:標準プログラム



富士フイルム_XPro3_ウォールアート「クラシックネガ」でウォールアートを撮ると華やかさではなく渋みを感じる写真となります。いつもはたくさんの観光客で賑わう「オールド・タウン・セントラル」ですが、民主化デモの影響なのか例年に比べて観光客が少ないように感じました。
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF35mm f1.4 R
絞り値:f/3.2
露出時間:1/340秒
ISO:640
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:標準プログラム



富士フイルム_XPro3_ウォールアート2
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF35mm f1.4 R
絞り値:f/3.2
露出時間:1/340秒
ISO:640
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:標準プログラム



富士フイルム_XPro3_出店やはりデモの影響か、それとも日が悪かったのか、シャッターを下ろして閉店している出店が多く感じました。どことなく寂しさが漂うストリート…、「プロビア」「ベルビア」「アスティア」ではなく、「クラシックネガ」がこの場面に流れる空気を表すのに最適なフィルムシュミレーションだと、でき上がった写真を見て改めて感じました。
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF35mm f1.4 R
絞り値:f/4
露出時間:1/420秒
ISO:640
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:標準プログラム



富士フイルム_XPro3_Touit12mm富士フイルム純正レンズ以外にも、1本だけツァイス製のレンズを持っていきました。Touit 2.8/12は画角12mm(フルサイズ換算で約18mm)の超広角レンズなので、OVFファインダーでは画角をすべてカバーすることはできません。そこでファインダーをEVF(電子式)に切り替えると、画角内の被写体すべてがファインダーに表示されました。
OVFの画角は23mmから140mmまでの対応となっていますので、超広角レンズを使用しる場合はEVFを選択するしかありませんが、高解像度約369万ドットの有機ELパネルが使われているので被写体の様子を細微にわたって捉えることができます。
カメラ: X-Pro3
レンズ: Touit2.8/12
絞り値:f/5.6
露出時間:1/280秒
ISO:640
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:標準プログラム



富士フイルム_XPro3_ネオンスナップ撮影に夢中になっているうちに日没が近づいてきて、あちらこちらのネオンが灯り始めました。光量の少ない夕暮れ時の薄暗い状況ですが、X-Pro3のAFシステムはEV-6の低照度でも被写体をしっかり捉えることができる位相差AFを搭載しているので、ピントをしっかり合わせることができました。
光量の少ない夜景撮影でも的確に被写体を捉えてくれる信頼感は頼もしい限りです。
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF35mm f1.4 R
絞り値:f/1.4
露出時間:1/3000秒
ISO:640
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:標準プログラム



富士フイルム_XPro3_スマホ広告
地下鉄に乗車して座席に腰かけると、正面のドア付近に描かれたスマホを手にしてこちらを見つめる女性の車内広告が目に飛び込んできました。
彼女の眼力の強さに引き付けられてしまいX-Pro3を構えると、OVFの35mmブライトフレームの外側にスマホを見ながら歩いてくる女性の姿が見えました。その女性がイラストとバランスのあった位置を通過する瞬間を狙ってシャッターを押してなんとか絵にすることができたのですが、もしEVFファインダーだったら女性の存在に気づくことはできず、ただ単に広告のイラストを撮っただけの写真になっていました。
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF35mm f1.4 R
絞り値:f/2
露出時間:1/120秒
ISO:640
露出補正:±0ステップ
露出モード:標準プログラム



富士フイルム_XPro3_伊勢海老海鮮料理店がひしめき合う鯉魚門(レイユームン)。この場所でも背面モニターはたたんで隠したまま、撮影することに専念してモニターチェックは必要採用限度に控えました。
鯉魚門に到着すると想像していた以上に海鮮料理店多くて、店先には活きが良い魚、海老、カニ、貝が水槽に並べられています。だが、クラシックネガで魚介類を撮影するとカラフルな色調が抑えられ、美味しそうというよりどこか懐かしさを感じるノスタルジックな描写になりました。
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF23mm F1.4 R
絞り値:f/2
露出時間:1/120秒
ISO:640
露出補正:±0ステップ
露出モード:標準プログラム



富士フイルム_XPro3_ヒトデ
クラシックネガが描き出す色調が改めて凄いと感じた一枚です。肉眼で見て感じていた雰囲気とはまるで違う、渋いノスタルジックな空気感をまとった描写です。このカットはjpegで撮影し濃度だけ補正して色補正は一切行っていないのですが、これだけの雰囲気が生み出されるのですから、さすがフイルムメーカーだった富士フイルムが世に送り出したカメラです。
話題が外れますが、食用ヒトデがあることを筆者は初めて知りました。
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF23mm f1.4 R
絞り値:f/4
露出時間:1/60秒
ISO:320
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:絞り優先



富士フイルム_XPro3_カニカブトガニも香港やタイでは食されていますが、実際食べた人の話だとそれほど美味しくはなく、身がほとんどないので卵を食べるそうです。
クラシックネガは色調や彩度が抑えられた描写なので、料理や食材などを撮影するのであれば「プロビア」や「ベルビア」におまかせするのが良さそうです。珍しい魚介類が並ぶ「鯉魚門」なのですが、実は高級レストランも多く、店によってはかなり高価な食事になるそうなので、写真を撮ることで満足することにしました。
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF23mm f1.4 R
絞り値:f/1.8
露出時間:1/90秒
ISO:160
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:標準プログラム



富士フイルム_XPro3_オイスターソースオイスターソースを作るためカキが天日干しされていました。このままでも十分美味しそうです。日光でじんわり炙られ、旨味が凝縮されている状態が彩度の抑えられた色調でより伝わってきます。
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF23mm f1.4 R
絞り値:f/2
露出時間:1/6400秒
ISO:160
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:絞り優先



富士フイルム_XPro3_海辺
海鮮市場やレストランが集まる小さな路地を海側に向かって通り抜けると、レストランで食された貝類の貝殻でぎっしり埋め尽くされた海辺が見えてきました。左奥には香港一の高さを誇るビル「環球貿易廣場」(世界貿易センタービル)が見えます。都心部からさほど遠くない場所にこのようなのどかな村があることも香港の魅力の一つなのではないでしょうか。ゆったりとした時間の流れる村にクラシックネガの味わいある描写色はとても相性が良いと感じました。
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF23mm f1.4 R
絞り値:f/5
露出時間:1/800
ISO:160
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:標準プログラム



富士フイルム_XPro3_午後休み「鯉魚門」は三家村という小さな村にあります。昔の姿を残す漁村なのですが午後休みの時間帯に訪れたので海鮮レストランはどのお店も休憩中でした。まったりした雰囲気を感じながら市場の路地を歩いていくと、トランプゲームを楽しむレストラン従業員、海辺で会話を楽しむ人たち、のんびりするペットの犬や猫などを見かけました。ファインダーをOVFに固定してサイレントシャッターにしてその場の雰囲気を壊さないようにしてスナップして歩きました。
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF35mm f1.4 R
絞り値:f/4.5
露出時間:1/550秒
ISO:160
露出補正:±0ステップ
露出モード:標準プログラム



富士フイルム_XPro3_キティさんX-Pro3を使っていると目にするものが何でも絵になるように思えしまい、いつもにも増してシャッターを押す回数が増えました。そして「クラシックネガ」で撮影された写真からは趣のある味わいが感じられます。
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF23mm F1.4 R
絞り値:f/4
露出時間:1/60秒
ISO:640
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:絞り優先



富士フイルム_XPro3_カラークロームブルーX-Pro3に新搭載された「青」に深みと奥行きを持たせ自然な鮮やかさを再現する「カラークロームブルー」を使用して、青空を入れて古い民家を撮影してみました。所々雲が立っていますが青の深みが増した青空が雲を浮き立たせ、コントラストのついた民家の存在感をより強めてドラマチックな写真となりました。
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF23mm F1.4 R
絞り値:f/5.6
露出時間:1/1400秒
ISO:160
露出補正:-1.0ステップ
露出モード:標準プログラム



富士フイルム_XPro3_線香海鮮レストランを抜け15分ほど歩くと、海岸沿いの崖に「鯉魚門天后廟」が見えてきました。
1753年に建立された廟には海の安全を守る天后様(道教の女神)と観音様を祀っています。廟の中は撮影禁止でしたので、入り口にある線香を撮影しました。道教の線香は日本仏教の線香とはまったく趣が違い、願い事や神様が描かれていてカラフルです。焚かれた線香から立ち上る煙と共に祈願が天に届くことを意味していることなのでしょう。
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF23mm F1.4 R
絞り値:f/2
露出時間:1/550秒
ISO:160
露出補正:-0.7ステップ
露出モード:絞り優先



富士フイルム_XPro3_ボケ味と線香X-Pro3のフォーマットであるAPS-Cはフルサイズに比べてボケ味が劣ると評されていますが、f1.4クラスの開放値の大きなレンズを使えば、豊かなボケ味で被写体をクッキリ浮き上がらせることは十分可能です。この写真はXF23mmF1.4Rを使用したのですが、背景のボケ量は申し分なく手前の巨大な線香が浮き上がっています。
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF23mm F1.4 R
絞り値:f/1.4
露出時間:1/15000秒
ISO:160
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:絞り優先



富士フイルム_XPro3_油塘駅鯉魚門での撮影を終えて油塘駅に戻りエスカレータに乗ると、差し込む西日が作り出した影が寄り添うように後をついてきます。X-Pro3を持ったときは、面白いと感じたら心の思うままにシャッターを押してみよう、そう思いながら駅に到着しました。
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF35mm f1.4 R
絞り値:f/5
露出時間:1/640秒
ISO:160
露出補正:+0.3ステップ
露出モード:標準プログラム



夕方のラッシュ宿泊先の灣仔に戻ると、“恒例”の夕方のラッシュで道路は大混雑でした。街から村へ、村から街へ、一日を通してX-Pro3の魅力を味わった一日でした。
カメラ: X-Pro3
レンズ: XF35mm f1.4 R
絞り値:f/2.2
露出時間:1/125秒
ISO:160
露出補正:-1.0ステップ
露出モード:標準プログラム



香港で数日間X-Pro3を使用していて強く感じたことは、立ち止まって考えることは後にしてまずは写真を撮ることを楽しもう、というコンセプトです。

背面モニターを内側に折り畳むことに対して、従来のデジタルカメラに慣れ親しんできたユーザーは強い違和感を持つかもしれません。背面モニターで撮影した写真データを直ちに確認して、意図しない画像だった場合にはすぐに撮り直しすることで失敗を未然に防ぐことが可能です。仕事としての撮影であれば小まめなチェックは必要だと思います。しかし、旅行やプライベートの撮影で頻繁にモニターチェックを繰り返していたら、それは撮影を楽しむのではなく写真撮影をする流れの中で、撮影も単なる作業の一環になってしまうのではないでしょうか。

どのような写真になるか撮影するときに頭の中で想像しながら自分のイメージを膨らませてシャッターを押す、ストリートフォトでは街の空気感と同化しながら被写体に接していく、あるいは旅先では写真を撮りながら楽しい思い出を頭にも刻んでいく、モニターを覗く時間を減らしてもっと被写体と向き合う機会を増やせばもっと楽しい時間を過ごせるよ、とX-Pro3が語りかけてくるようでした。

  • ニコン
  • キヤノン
  • オリンパス
  • SONY
  • Panasonic
  • FUJIFILM
  • RICOH/PENTAX
  • SIGMA
  • TAMRON
  • CarlZeiss
  • Leica
  • Tokina
  • ハッセルブラッド