FUJIFILM XF23mmF1.4 R LM WR
ユーザーから高評価を受けている「XF23mm F1.4 R」が発売されてから9年の歳月がたち、大幅に性能がアップデートされた後継レンズ「XF23mm F1.4 R LM WR」が発売されました。非球面レンズ2枚とEDレンズ3枚が組み込まれ、色収差、球面収差が抑制され性能が大幅にアップしました。9枚の絞り羽根、19cmの最短撮影距離など撮影表現の幅も高まりました。レンズサイズは前レンズに比べ若干大きくなりましたが、携行には負担を感じない程よい大きさです。X-Pro3に装着して春を間近に控えて動き始めた公園や街へ出かけてみました。
※撮影:2022年2月
※撮影:2022年2月

非球面レンズ2枚、EDレンズ3枚が組み込まれた光学面での進化は素晴らしくフォーカスが合ったカモをエッジがキリリと立たせてシャープに描写しています。背景のボケは柔らかく狙った一羽のカモをくっきり浮かび上がらせました。ポートレートで使っても面白そうな描写ですね。
カメラ:
X-Pro3
レンズ:
XF23mmF1.4 R LM WR
絞り値:f/1.4
露出時間:1/11000秒
ISO:160
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:絞り優先

この写真はノートリミングですが、フルサイズ換算35mmの画角で切り取ったフレーミングは自然な雰囲気が損なわれず、スナップ撮影の王道ともいってよい画角だと改めて感じました。




最短撮影距離19cmまで寄れる撮影倍率0.2倍の近接性能はマクロレンズにはおよびませんが、スナップ用途なら十分です。散策中に目に留まった可愛らしい花のスナップ撮影などで活躍してくれることでしょう。
カメラ:
X-Pro3



カメラ:
X-Pro3
レンズ:
XF23mmF1.4 R LM WR
絞り値:f/1.4
露出時間:1/4400秒
ISO:160よる
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:絞り優先

レンズは最新の技術で設計されているのでオールドレンズの様な味わいは出ませんが、富士フイルムがフィルムメーカーとして培ってきたフィルムライクな色味や階調がより忠実に画面に反映できると感じます。日陰の中でオレンジ色にテカる線路をうまく捉えられたのもクリアでヌケの良いレンズのお蔭です。

街を歩きながら、ふと気になった光景やオブジェ、色などをこの画角で切り取るように撮影するスナップはフォトエッセイそのもの。
旧型に比べてレンズサイズは大きくなりましたが携行するのに負担は感じないレンズサイズです。X-Pro3に付けっ放しにして街スナップを撮ってみました。


別のどうってことない小さなバケツなのですが、鉄橋の下のぽつんと置かれたバケツとその周囲の鉄骨や木の床が絵画の一シーンのように感じてシャッターを押しました。クラシッククロームの雰囲気が抜群にあうシチュエーションです。
カメラ: X-Pro3
カメラ: X-Pro3
レンズ:
XF23mmF1.4 R LM WR
絞り値:f/1.4
露出時間:1/2500秒
ISO:160
露出補正:-0.3ステップ
露出モード:絞り優先

老朽化のためか柵がかかって入口が閉ざされている公共施設の入り口の屋根のレトロ感がググっと心を掴まれました。チョイスしたクラシックネガがピタリとハマり、デフォルメされないストレートな画角が雰囲気をうまく写し出してくれました。
カメラ: X-Pro3
カメラ: X-Pro3
レンズ:
XF23mmF1.4 R LM WR
絞り値:f/1.4
露出時間:1/15000秒
ISO:200
露出補正:-1.3ステップ
露出モード:絞り優先
筆者はX-Pro3にXF23mm F1.4 Rを常に装着して持ち歩いています。解像力に優れ味のある描写力が気に入っているのですが、不満もいくつかあります。AFの遅さや最短距離は撮影に直接響いてくる要因でもあるので、今回の「XF23mm F1.4 R LM WR」を実際使用してみて、前レンズで不満だった点が大きく改善されていることが確かめられました。肝心の描写は現代的な最新鋭のレンズとして隙のない高画質。光量少ない場面が逆光などどのような条件でも対応できる高性能なレンズだと感じました。特にAFの俊敏さはとても快適でした。フジノンの伝統を引き継ぐ高画質を楽しめてレスポンスも改善され使い勝手がとてもよくなったと感じます。プライベートでも欲しくなってしまいました。