ビックカメラ日本橋三越

三越伊勢丹×ビックカメラ 特別対談

異なる両社の売り場づくりが融合
クオリティタイムゾーンに込めた想いとは

株式会社三越伊勢丹 マネージャー 
斉藤宏太(写真右)
株式会社ビックカメラ 日本橋三越 店長 
橋本賢太(写真左)

2020年2月7日(金)にオープンしたビックカメラ日本橋三越。
「ビックカメラ」「三越」という異なる2社がひとつの売り場を作り上げていく中での苦労やこだわりを、責任者同士の対談形式で語ってもらった。

PROFILE

ビックカメラ 日本橋三越 店長

橋本賢太

渋谷東口店、池袋本店パソコン館など数々の店舗で店長を歴任。ビックロ、赤坂見附駅店の立上げにも携わってきた豊富な経験と、新しいものを取り入れながら進化させていく力に定評があり、今回ビックカメラ日本橋三越の店長を任された。

三越伊勢丹 マネージャー

斉藤宏太

入社後池袋三越に配属され、主にリビング領域を担当。日本橋三越本店計画担当マネージャー、伊勢丹新宿店バイヤーを歴任。伊勢丹新宿店の家具インテリア領域のリモデルに携わり、日本橋三越本店における今回のプロジェクト責任者に任命された。

日本橋KADENを作り上げた
2人のリーダー

初めて会った時のお二人の第一印象はいかがでしたか?

橋本
醸し出される百貨店ならではのオーラを感じました。ゆったりした歩き方、ジャケットの着こなしやポケットチーフにいたるまで、身だしなみや立ち振る舞いから、私たちにはとても真似できないと正直圧倒されました。

斉藤
ビックカメラさんは皆さんが「話し上手な商売人」のイメージがありましたが、橋本さんと初めて会ったときには、頭の回転がとても速くて「カチッとしたビジネスマン」という印象でした。

企業文化の違いで
難航した売り場づくり。
クオリティタイムゾーン」
へのこだわりとは

今回のプロジェクトについてお伺いします。
進めて行く中で様々な事があったとおもいますが、「苦労されたこと」や「こだわり」を教えてください。

斉藤
苦労したのは企業文化の違いでしょうか。具体的には商品の見せ方であったり、お客様への提案の仕方です。
三越は、担当者が厳選した商品をお客様に整然とした環境の中で提案する「空間に余白を生む美学」が特徴だと思いますが、ビックカメラさんの場合は圧倒的な数の商品とサービスを積み上げて、可能な限りより多くのものを見ていただく「提案する美学」を大切にされていると感じました。
だから商品の見せ方や提案方法がまったく違うため、店づくりを決める打合せは、スタート時には全く進まなかったですよね。

橋本
確かに(笑) 三越さんの売場づくりを理解するのにとても時間を使いました。知れば知るほど今までの我々には考えられなかった接客のスタイルやサービスの連続で、どんな店舗にするべきか悩みました。その中で、商売の原点である「接客」に焦点を当てて、日本橋三越にご来店されるお客様について毎日勉強させていただきました。

斉藤
そうですね。気がつくと毎日三越店内にいらっしゃるので驚きました。とても橋本さんの熱意が伝わってきましたし、今までにないビックカメラができあがったのではないかと思います。

橋本
ありがとうございます。従来のビックカメラの店舗は、商品や情報を最大限発信して「お客様がある程度ご自身で選べる」売り場づくりをしています。しかし日本橋三越ではそうではなく、「接客」が中心となる売り場づくりを目指しました。これは、三越の「空間に余白を生む美学」という考え方をビックカメラに取り込んだ形であり、そこから生まれたのが「クオリティタイムゾーン」です。

斉藤
「クオリティタイムゾーン」は、かなり長い時間協議を重ね、半年近くかけて作り上げてきたコアの部分です。
例えば以前、家電売場があった時には、我々は一人のお客様とface-to-faceで1〜2時間かけて接客をしていました。そのためにもゆったりとした接客スペースは必要だなという認識はありましたので、クオリティタイムゾーンで実現できてよかったと思います。
しかし今までのビックカメラさんの売り場づくりと異なるので、橋本さんはすごくご苦労されたのではないかなと思っています。

橋本
売り場の中にソファを置いてゆったりとした空間を作る文化は、今までなかった初めての試みでしたので、社内や売り場のメンバーと認識を合わせることに時間をかけました。
また、売り場に立つメンバーには、三越流の「接客」研修を受けさせていただき、これまでのビックカメラの店舗以上に、「日本橋三越」での接客に向き合ってまいりました。

斉藤
「クオリティタイムゾーン」の席数も、当初私が提案させて頂いた時、「多すぎる」という話も出たじゃないですか。それを、理由から説明させて頂きながら、両社で最適な席数をいくつにするのかをお打ち合わせしてきましたよね。

橋本
そうですね。ただのソファではなく、「売り場の感覚」というものも残しつつ、三越の良さとビックカメラの良さがどちらも感じられる場所になったと感じています。「クオリティタイムゾーン」は、一番議論を重ねたところですので、最もこだわりが強い場所です。

ビックカメラがオープンして
良かった」と思われる店舗へ

ありがとうございます。最後に、今後どんな店舗にしてきたいですか?

橋本
「ビックカメラがオープンして良かった」と言われることを、まずは目指していきたいですね!三越にいつもご来店いただいているお客様はもちろん、近隣の方々、日本橋の街の方々にも喜んで頂きたいですね。

斉藤
家電は絶対生活の中で必要な物ですから誰でも関心があるものですよね。だから家電の専門店「ビックカメラ」が日本橋三越にオープンした事で今後がとても楽しみです!

本日はありがとうございました。